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TECHNOLOGYカルテックの独自の光触媒技術

1光触媒とは

「光触媒って何?」とよくご質問をいただきます。

光触媒は酸化チタンを主材料としています。この酸化チタンは半導体の一種であり光を当たることによってそのエネルギーでウイルスや菌、ニオイなどの有機物を分解します。


この光触媒の効果は、1972年にイギリスの科学雑誌「Nature(ネイチャー)」で発表され、今では発見者の名を取って「本多・藤嶋効果」とも呼ばれています。

酸化チタンは光触媒の主材料のほか、チョコレートなどに着色用食品添加剤や建物の外壁塗料、プラスチック、印刷用インキなどさまざまな用途で活用されています。

光触媒による効果

光触媒による効果を示したものが上の図です。

図は光触媒による効果を示したものです。
光触媒を塗布した光触媒フィルターにLEDなどの光を照射することでその表面に強力な酸化力が発生します。 空気中のウイルスや菌、ニオイなどの有機物が光触媒の表面に接触するとこの酸化力によって分解されます。

この酸化力はオゾンや次亜塩素といったものに比べて強力に分解しますが、空気中に浮遊するものではなく、また人体にも影響がありません。

3光触媒技術の検証

カルテックでは独自の光触媒による効果を広く社会に貢献すべく、ベンチャー企業でありながら大手メーカーではできないような検証を行っています。

 2020年10月に、理化学研究所や日本大学医学部との共同研究により、当社の光触媒で浮遊する新型コロナウイルスを不活性化することを検証し発表いたいました。この成果は海外のウイルス専門誌にも論文投稿して大きな反響を呼びました。
 光触媒で、浮遊する新型コロナウイルスに対する不活化効果を実証した事例は世界初の試みです(2020年10月実施 当社調べ)

また現在では日本大学医学部との共同研究により臨床環境において光触媒デバイスが感染症を抑制することの評価を進めており、昨年10月の途中経過ではその有効性を確認し発表いたしました。
 本研究の成果は、感染弱者である免疫力が低い高齢者や基礎疾患を有する患者に対し、実使用環境下において新型コロナウイルスのみならず、一般細菌やウイルス、真菌による感染症予防への貢献が期待できます。

報道関係者向け発表会の様子(2020年10月)

③‐1 実験環境において新型コロナウイルスの不活性化を検証
MDPI専門誌<Viruses>にて公表

「光触媒で空気中に浮遊する‟新型コロナウイルス“の感染性を検出限界以下まで消失させることに成功

~「With コロナ」の社会の実現と新たな社会的脅威「変異ウイルス」への対抗策を提示~

論文タイトルSARS-CoV-2 disinfection of air and surface contamination by TiO2 photocatalyst-mediated damage to viral morphology, RNA, and protein
発表者東京大学、理化学研究所、日本大学
URL(英文)https://www.mdpi.com/1999-4915/13/5/942
(和文)https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20210521-1.html
※東京大学からも同内容についてプレスリリースされています。
<研究者コメント> 間 陽子(あいだようこ)

日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野 上席客員研究員/理化学研究所
(現.東京大学大学院農学生命科学研究所農学国際専攻 特任教授)

「世界で初めて、光触媒技術で空気中に浮遊する新型コロナウイルスの感染性を検出限界以下まで消失させることが実証されたことはWithコロナの社会を実現するための安心できるクリーンな空間の構築が期待されると同時に、現在脅威となっている新型株や新たな社会的脅威となり得る未知のウイルス感染症克服の道を拓くものであり、今後ますます光触媒技術の社会への貢献度が増すと考えられます」


1)光触媒による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活性化

世界で初めて、光触媒技術で空気中に浮遊する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染力を検出限界以下まで消失させることを実証しました。

120リットルのアクリルボックス。
内部にはカルテックの光触媒を搭載した除菌脱臭機を設置。

<試験方法>
  • 120リットルのアクリルボックス内に咳と同等のサイズ(粒子径5μm)のエアロゾル化したSARS-CoV-2を噴霧
  • 酸化チタン光触媒で処理した後、エアーサンプラーにより回収し、ウイルス感染価を測定
  • 試験時間:0分、5分、10分、15分、20分
  • 光触媒装置:カルテック製除菌脱臭機、LED 405nm
<試験結果>
  • 時間依存的に有意に感染価が減少
  • 20分でエアロゾル中のSARS-CoV-2を99.9%不活性化

ウイルス感染力(縦軸)と光触媒と光源用LEDとの時間関係性(横軸)
※Controlは比較用で光触媒とLightがない状態


2)光触媒によってSタンパク質を分解し、ウイルスを不活性化

光触媒が発生する活性酸素がウイルス粒子表面のSタンパク質等の分解、ウイルスメンブランの破壊やウイルスRNAを損傷した可能性が一因であることを初めて示しました。

<電子顕微鏡による解析>
研究グループは、電子顕微鏡を用いた解析により、光触媒反応によってウイルス粒子の数が減少すること、ウイルス粒子のサイズが大きくなること、ウイルス粒子表面のSタンパク質の数が減少することを明らかにした。

③‐2 臨床環境での光触媒による感染症予防効果の検証(中間報告)

日本大学医学部内科学系血液膠原病分野とカルテックは共同研究により光触媒デバイスによる院内での感染症予防効果を検証しています。感染弱者である免疫力が低い高齢者や基礎疾患を有する患者に対し、実環境下において新型コロナウイルスのみならず、一般細菌やウイルス、真菌による感染症の予防効果が期待できます。

※本内容は2021年10月に発表いたしました。

タイトル光触媒除菌脱臭機を活用した実使用環境下における感染弱者の感染症予防効果に期待
発表者日本大学医学部血液膠原病分野、カルテック株式会社
URLhttps://kaltec.co.jp/news/wp-content/uploads/2021/10/【プレスリリース】実使用環境下における感染弱者の感染症予防効果.pdf
  • 日本大学倫理委員会承認のもと、臨床環境にて一定の効果を確認し、現在も検証を継続中で今後 学会発表を予定しています。
<検証方法>
悪性腫瘍・膠原病患者の病棟にて、病室23床、及び廊下に、光触媒搭載の除菌脱臭機を設置し、設置前後の感染症患者数の変化を検証する。
*院内感染の定義:入院から48時間以降の感染症
<結果>
  • 全体の感染症発症率 12/65 → 3/63 P値:0.052
  • 65歳以上の感染症発症率 10/30 → 2/39 P値:0.003
  • 基礎疾患を有する患者の感染症発症率 13/61 → 6/62 P値:0.086
  • 好中球<500μlの患者の発生率 12/14 → 3/25 P値:<0.0001
光触媒装置の設置で、免疫力の低い高齢者・基礎疾患のある患者の感染症が有意に減少した。特に死亡率が高い発熱性好中球減少症が減少しており、高齢者で顕著であった。

設置前: 2020年12月11日〜(1カ月)

設置後: 2021年1月11日〜(1カ月)

<結語>
本研究で免疫力が低い感染弱者の感染予防効果を実証できた。
今後、高齢化社会がより進むにつれ、高齢者施設や抗がん剤治療後がん緩和ケアを行う患者が増加してくることが予想される。本研究結果がこれら感染症に苦しむ患者の心配を低減し、穏やかな生活を提供できる一助になればと考えている。
<研究者コメント> 飯塚 和秀(いいづかかずひで)

日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野助手教育医長

「細菌・真菌・ウイルスによる感染対策としてこれまでの実験室レベルの検証から実空間における光触媒除菌脱臭機の有効性が期待できるデータが得られたことの意義は大きい。病室における感染リスクが低下することで患者の入院期間の短縮や投与する薬価の低減もできる可能性がある。免疫力は年齢とともに低下し感染リスクが高くなるため、高齢者が多い介護施設や老人ホームにも有効性が期待できる。」

4カビ菌の抑制

光触媒でカビ菌を分解する効果を実証しています。
こうした効果を活用し食品ロス削減に貢献する製品を開発しています。


食パンに発生する黒カビで検証してみました

2台のフードフレッシュキーパーにそれぞれ食パンを設置。 光触媒の有無(電源ONとOFF)の違いで、庫内のカビ菌をどの程度抑制できるか検証してみました。

実験は11月22日にスタート。9日後の12月1日には、光触媒無しの食パン表面には黒カビがビッシリ発生。一方、光触媒ありの食パンにはカビの発生は見られませんでした。 光触媒によって黒カビの発生を抑制することができました。

  • 当社の実験結果であり、保証するものではありません。

季節の果物、みかんで検証してみました

食パンの黒カビ実験に続き、これからの季節には欠かせない果物のみかんで検証してみました。

光触媒を使わずに常温保存したみかんは、表面が乾燥してシワシワ。一方、光触媒を使ったみかんは表面がツヤツヤして美味しそうに見えます。 みかんの鮮度保持に役立ったものとみています。

カビが生えやすい餅で検証してみました

食パン、みかんの黒カビ実験に続き、つきたての餅で 1週間検証してみました。

光触媒を使って保存したものに比べると、 光触媒を使わずに常温保存した餅は、表面にカビが びっしりと生えていく様子が分かります。

5エチレンガスの分解

エチレンガスは野菜や果物などが分泌する植物ホルモンの一種で、自らの熟成を促す働きがあります。しかし野菜や果物から発生するエチレンガスによって、他の果実や野菜にも影響を与えるため、同じ空間に一緒に保管すると他の果実の劣化を早める原因になります。
実験ではプラスチックケースにリンゴとバナナを設置。密閉された空間に光触媒を設置することでエチレンガスを分解しバナナの劣化を抑制することが確認できました。


リンゴ/バナナ鮮度試験

室温(25℃±2℃)にて試験

触媒なし触媒あり
5月25日
(開始)
5月29日
(5日目)
エチレンガスCO2
15ppm0.7%
エチレンガスCO2
7ppm1%
6月4日
(11日目)
エチレンガスCO2
25ppm0.8%
エチレンガスCO2
7ppm1.5%

6水浄化の実証

光触媒は空気浄化だけでなく、水浄化にも役立てることができます。当社では廃ガラスを原料とする軽量発泡材に光触媒をコーティング。資源ゴミを活用した光触媒による水浄化に取り組んでいます。

実験では河川の水を水槽にいれて光触媒をコーティングした軽量発泡材を沈めて太陽の下に放置したところ、わずか1日で水の透明度が上がりました。河川の水にある含まれる有機物が光触媒で分解されたためとみています。

透明度の比較